切ない兄弟愛に涙する感動小説【手紙/東野圭吾】
どーも。Kamiです。
皆さんは兄弟や姉妹はいますか?
一人っ子ですか?
僕は下に妹弟がいる長男なんですが、小さい頃はよく喧嘩もしましたし、うっとうしいとか思うこともありましたが、この歳になると、兄弟っていいなって思うことも増えました。
僕は実家から離れて暮らしているんですけど、お正月とかで実家に帰ったりすると、いつもにぎやかなのは弟妹がいるからだと思います。
もしかしたら、たまに会うから楽しいのかもしれません。
毎日顔を合わせてたら、未だに喧嘩ばかりするのかもしれないですね。(笑)
それでも僕はやっぱり弟妹がいてよかったなと思うことのほうが多いです。
両親のことなども、やっぱり頼るのは弟妹ですね。僕、長男ですけど。
もちろん兄弟がいるけど、仲が悪かったりすると一人の方がいいと思うかもしれません。
まぁそれぞれの家族の在り方があるので、たらればの話をしてもしょうがないですね。
そんな兄弟がいる人もいない人も楽しめるのが今回紹介する小説『手紙』です。
著者は東野圭吾さん。
この小説はドラマや映画にもなってるので有名ですね。
僕は映画も見たんですけど、この作品は断然小説の方がオススメです。
映画も泣けるんですが、小説の方が兄と弟の微妙な感情が表現されています。
まぁそれはどの小説にも言えることですけど。
ちなみにこの小説はものすごく面白いんですけど、僕は通勤時間に読むのはやめました。
主人公の置かれた辛い状況を考えると、気持ちが沈み仕事に影響すると思ったからです。(笑)
でもそれだけ感情移入してしまうほど夢中になって読みました。
主人公は武島直貴(たけしまなおき)。
兄・剛志(つよし)と二人暮らし。父は直貴が3歳の頃に交通事故で泣くなり、母は、女手一つで2人を養っていたが、働きすぎによる過労死でこの世を去った。
兄の剛志は、家庭を支えるため、高校を中退し働くことにする。
直貴は大学に進学したいと思ってはいたが、金銭的な理由で就職しようと考えていた。
そのことに気づいていた剛志は何とかしてお金を貯め直貴に大学に行ってほしいと願っていた。
引っ越し屋と家具運送の仕事を掛け持ちして必死に貯金をしようとしていたが、腰と膝を痛めてしまい、仕事を続けることができなくなってしまった。
剛志は手先が器用ではなく物覚えも悪かったが、体力には自信があったため、それを生かす仕事をしてきた。しかし身体を壊してしまったらどこも雇ってはくれず、八方ふさがりになってしまった。
そんな時に思い出したのは、以前引っ越しで行ったことのある1人暮らしの老婦人の家。
その家は資産家の家でマンションや駐車場を持っていて、大きな平屋の豪邸だった。
うっすらと家の様子も覚えていたので、そこに入り空き巣をしようと考えたのだった。
いや、それしかお金を増やす手段を思いつかなかった。
犯行の日、剛志は過去の記憶を辿り老婦人宅に侵入し、事がうまく進み札束を手にする。
しかし、家を出ようとしたその時だった。
スッとふすまが空き寝間着姿の老婦人が出てきた。
異変に気づいた老婦人は、悲鳴をあげ、通報しようと電話機に向かった。
何とか阻止しようとした剛志は誤って老婦人を殺害してしまう。
剛志が逮捕され、1人になった直貴は『殺人犯の弟』というレッテルを貼られ、生活していくために大学に進むことは諦めざるを得なかった。
それだけではなく、直貴にはさらなる苦難の連続が待ち受けていた。
殺人犯の弟・直貴の人生はどうなってしまうのか。
獄中から届く剛志からの手紙に込められた思いとは。
兄と弟、様々な感情が入り乱れる切ない犯罪ミステリー。
正直この小説は重いです。
でもとてもリアリティがあります。
自分が殺人犯になる可能性ではなく、自分が殺人犯の親族になる可能性、殺人犯の親族と知り合いになる可能性。
もしその人自身に罪が無いとしても、その人の親族が殺人犯だったらどうしますか?
一緒に仕事ができますか?一緒に遊んだり、楽しく過ごすことができますか?
本作もしっかり考えさせられる内容となっています。
ぜひ読んでみて下さい。
ではまた(^^)/~~